家族が3ヵ月程入院しました。
日頃はPC+ガラケーで事足りていたのですが、さすがに入院中退屈なのでネットが見たいのと、仕事も気になるからプロバイダのメールを毎日チェックしたいとの事で相談を受けました。
スマホへの乗り換えを勧めたのですが、あくまで入院している間必要なだけなので、今後ずっと月額費用が上がるのは困るとのこと。
実家にあった家族共用のiPad(Wifiモデル)を病院に持っていくと想定して、回線を考えてみる事にしました。
この記事を書いた時から3年以上の時間が経ち、国内でも解約料不要で短期・長期双方に対応したWiFiレンタルも充実してきました。
金額計算の考え方の参考として当記事は残してありますが、現在の最新の状況については、こちらの記事をご覧ください。
そこで思いついたのはWiMAX。家族が使っているプロバイダのメールサーバはWebメールが付いて外部回線でのアクセスにも対応しているので、WiMAX経由でもメールを見る事ができるようです。
これでWiMAXで要件を満たせることがわかりましたが、心配なのは病院からの持ち込み許可が出るか。
iPadにしてもWiMAXルーターにしても、無線を出す物なので医療機器への影響を与える可能性から、病室への持ち込みや使用を断られるかもしれません。
そこで病院に電話で聞いてみると、拍子抜けするくらいあっさりと「いいですよ」の事。
逆にこちらが心配になって「無線を出すものですけど医療機器への影響は大丈夫ですか?」と再度念押しして聞いてみても問題ないとの事でしたので、安心してWiMAXで行く事にしました。
(ここは病院によって条件等が異なる場合があるので、必ず持ち込み先の病院に事前にご確認ください)
さて、いよいよWiMAXのプロバイダ選び。
今回は3ヵ月程度の短期利用とわかりきっているため、解約料も含めた安さ最優先という少し変わった探し方になりました。
レンタルでWiMAX
まず考えたのはレンタル。
日単位は色々ありますが、月単位のレンタルになると選択肢はあまりありません。
e-caでモバイルルータ(イー・モバイル回線)の月単位でのレンタルをやっていました。月額7,560円、レンタルなのでもちろん解約手数料は不要。端末購入も不要ですが、月単位のレンタル時には事務手数料3,150円が必要との事です。
これは有力候補かなと考えたのですが、一つ頂けないポイントが。
e-caの月単位レンタルの課金は実際の使った日数ではなく、カレンダー上の月単位との事です。
つまり4月15日から5月15日まで使った場合、実際に使った日数のは1ヵ月ですが、課金単位としては4月・5月の2ヵ月分かかり、日割り計算は出来ないとの事。
そして今回、入院予定日は1月20日でした。4月20日まで3ヵ月使っても1~4月分の4ヶ月分の料金が必要になります。
必要金額は事務手数料3,150円+月額7,560円×4ヵ月分の33,390円。
しかしここで、先述の日数に関係なくカレンダー上の月単位での課金というシステムが曲者になってきます。
今回は入院のため、3ヵ月というのはあくまで予定、退院が10日程ずれて5月頭になると合計は40,950円に跳ね上がります。逆に10日程早まって4月初旬に退院しても、日割り計算ではないので料金は変わりません。
出張などの日数が決まっている場合はいいサービスだと思いますが、今回のケースにはちょっと向かないかと感じました。
短期解約に有利なWiMAX回線を探す
次に探したのは、短期解約がしやすい回線。
いくつかの回線プロバイダを調べて、UQ WiMAXの「UQ Flat 完全定額プラン」なら、利用開始から30日以降であれば解約手数料が不要であることがわかりました。(30日以内の解約は2,000円必要)
事務手数料は3,000円(税抜)で、料金は月額4,267円。
縛り期間が無い代わりに、端末は有料で12,191円。
月途中の契約・解約は日割り計算になります。
先程の場合と同じく1月20日~4月20日まで使うと考えると、税込の事務手数料3,240円+月額4,267円×3ヵ月分+端末代金12,191円の28232円。
(実際には、4ヵ月分の料金から約1ヵ月分の未使用分が日割り払い戻しになるので、数字は若干異なります。)
レンタルの場合に比べて、5,000円ほど安くなりました。
先程書いたように退院の予定が前後にずれた場合にも日割りでの返金があるので、レンタルよりリーズナブルです。
端末代金が痛いですが、ヤフオクで4~5,000円程で売れるようです。4,000円で売れるとすれば、トータル金額は24,000円程度になります。
これに決めようかと思いましたが、最後に少し調べてからにします。
あえて縛り期間の間に中途解約した場合
同じUQ WiMAXでも「UQ Flat 年間パスポート」なら、1年縛りがある代わりに月額は3,696円で端末代金は1円になるとの事。事務手数料は同じく3,240円で、縛り期間中の解約手数料は9,500円。
端末代金より解約手数料の方が安く、月額費用も下がります。
完全定額プランの場合と同じ計算をすると、事務手数料3,240円+月額3,696円×3ヵ月分+端末代金1円+解約手数料9,500円で23829円。
解約手数料を入れても完全定額プランよりだいぶ安くなり、端末が想定した金額でヤフオクで売れたと考えた場合の金額とほぼ同じになりました。
そのため、端末をヤフオクで売る手間を考えて「UQ Flat 年間パスポート」にする事にしました。
縛り期間中の解約で取られる手数料はすごく損をした気になるので年間割引への加入を躊躇するケースがありますが、先入観なしで見るとこのように合計金額を抑えられる場合があるようです。
結果
「UQ Flat 年間パスポート」を契約して、iPadでWi-Fiを設定しました。
サービスエリア内である事はUQ WiMAXのページで調べていましたが、病院内でも電波は良好で、入院生活の慰みになったそうです。
喜んでくれた事ももちろんですが、何より良かったのは家族が順調に回復し、予定より早く退院できた事です。
補足
今回は3ヵ月という短期利用というには少し長い期間だったため、検討が少し複雑になりました。
もう少し短い期間、1日単位でのレンタルであれば選択肢はさらに増えます。
WiMAXの短期レンタルを利用するのは、海外旅行が一番多いシチュエーションだと思います。
この場合、90以上の国で使える海外パケット定額 グローバルWiFi
の評判がいいようです。
この記事を書いた時から3年以上の時間が経ち、国内でも解約料不要で短期・長期双方に対応したWiFiレンタルも充実してきました。
現在の最新の状況については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
今回、WiMAXの料金プランを調べてみて、いくつか興味深いことがわかりました。
〇契約・解約月の日割り計算の考え方をしっかり調べておく必要がある。
〇1ヵ月程度であれば、レンタルが一番安い。
〇解約後、手元に残った端末をヤフオクで売る手段もある。
〇縛り期間のあるプランを中途解約した方が、解約手数料を払っても安く上がる場合があるのでトータルの金額で考えるべき。
特に解約手数料の部分は、払ったら損という先入観にとらわれていたので、今回こうやって客観的に計算した結果は目から鱗でした。
今後携帯会社を乗り換える時にも使える考え方だと思います。
※今回の記事は1月中旬に検討した内容ですが、文中の金額等は消費税率8%改正後の2014年5月17日現在の各社Webサイト記載の数字となっています。