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書評

若手インフラSEに好評だったお勉強の本4冊

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ウチの会社の新人は4月の入社後、1ヵ月の研修を経て5月に各部署に配属されます。
私の部署にも、何人かの新人がやってきて1月程が経ちました。

この1ヵ月、新人たちはOJTに励みつつ、どうしても手が空くときには本を読んでおいてもらいました。
新人、若手の教育用に何冊か買っておいた本の中で、特に好評だった4冊を、斜め読みながらも自分でも読んでみたので、感想を書いてみたいと思います。

インフラエンジニアの教科書

今回一番好評だったのがこのインフラエンジニアの教科書。
今をときめくLINE社のエンジニアが書いた本。
サーバやOS、ネットワーク等の避けては通れないインフラの構成要素から、データセンター選び、運用ノウハウから果てはインフラエンジニアに求められるスキルから心構えまでと盛りだくさんの内容です。

ただ、惜しむらくはそれぞれの項目が本当に入門的な部分に留まっている所。一冊の本にそれだけの内容を盛り込んだが故に仕方ないと言えば仕方ないのですが、現場経験を積んだ中堅以上のエンジニアが知識を再整理するという目的で手に取るにはあまり向かないかと思います。
ただ新人や若手向けという意味で言えば、必要な項目が幅広くカバーされており、必要な知識の足がかりを一冊で鳥瞰できる、まさに「教科書」の名に恥じない内容です。
自分の新人時代にこんな本があれば良かったなぁと感じさせられました。

インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門

先の本と異なり、ネットワーク分野に特化したのがこちらのインフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門。

「入門」というタイトルに反して、なかなかに骨太な内容の一冊です。
TCP/IPなどのネットワーク技術をテーマにした本は多く出ていますが、設計がテーマの本はありそうで意外にありませんでした。まして良書となるとなおさら。

基本技術の説明から入った後、各工程で具体的に設計すべき内容までが実践的に触れられています。
中堅レベルのエンジニアの知識の再整理や、日頃あまりネットワークに触れる機会の少ないサーバやアプリ寄りのエンジニアの学習用など、初心者以外にも有用な内容だと思います。個人的には、あまり機会の無かったブレードサーバや仮想サーバのネットワーク設計が有意義な内容でした。

ネットワーク仮想化 基礎からすっきりわかる入門書

先の一冊と同じく、ネットワークに特化した本であるこちらのネットワーク仮想化 基礎からすっきりわかる入門書

こちらは完全に初心者向け、非常に読みやすい本です。
ネットワーク仮想化をテーマにした本とあって、ネットワーク全体を勉強しようと思うとこの一冊だけではなく、先の「インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門」など、別の本も併読する必要があります。
また、概略に内容を絞っており、実機での構築や設定には触れられていません。
ただ、この本は単にネットワークに留まらず、ストレージ、回線やデータセンター等、派生する色々な分野の仮想化を概念としてサクっと学ぶことができます。
そのためこの本の意外なニーズとして、新しい技術の概略だけを手軽に読めるという事で、管理職クラスやベテランからのウケが良かったです。

インフラデザインパターン

最後の一冊は他と少し毛色の違った本「インフラデザインパターン ~安定稼動に導く127の設計方式」
インフラ設計における定石パターンを「インフラデザインパターン」としてまとめた物です。さまざまなインフラの実現パターンを(ストレージ、バックアップ、データベース、セキュリティetc...)網羅・列挙した一冊。

色々なインフラのパターンがイメージ図付きで説明されており、予算に合わせた松竹梅の構成に応じて「できること」「できないこと」「長所・短所の比較」や「留意点」「制約事項」等が説明されています。(予算が安い構成でも、シンプルになるので管理が楽という長所が書かれていたり等)
いわゆる概論としてのベストプラクティスが多数説明されている代わりに、詳細な設定や実現方法については触れられていません。
が、このような点に考慮して設計を行うべきという知識の再整理や、あんちょこ代わりに手元に置いておいて損の無い一冊だと思います。
個人的にこの本を特に重宝したのは、教育の時に進みの早くて手が空き気味だった新人に検証環境でLinuxとオープンソースのソフトを使って本の中のパターンに沿ってシステムを構築させる自習に使えた事です。
彼の進みの速さに対して、誰も教えられる手が空かないがための苦渋の策でしたが、本人は退屈する事もなく、ためになったと喜んでいたので一安心です。

最後に

こうして見てみると、社内で評判が良かった本は全部Amazonの売れ線ばかりですね。
やはり売れる本は強いという事を痛感させられるとともに、まだ新しいこの4冊、今後定番と呼ばれる本になっていくのではないかとも感じています。

ちなみに私らの仕事は、いわゆる社内SEです。
職種をあえて分類するとインフラSE寄りですが、社内向けという性質上求められるスキルは、一般的なインフラSEのカバー範囲以外までと広い代わりに、個々の技術は非常に浅いです。
そういう意味で「インフラSE」と言うにはちょっと特殊な環境で、技術バリバリの方には参考にならないと思いますが、近い立場の方の参考になれば幸いです。

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